昇天(しょうてん)の松(まつ)(五箇庄)

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  1. 昔話・民話

今から四百年ほど前、関東(かんとう)で一番すもうが強い、甲斐(かい)という力士(りきし)がいました。そのころ、京都(きょうと)では、天下むてきといわれていた、鳩連(くれん)という力士がいました。その二人が、ある年の夏、越中(えっちゅう)の国、泊の小川の川原(かわら)で、ばったり出会いました。

「やあ、おぬしが鳩連でござるか。わしゃ甲斐だ。」

二人の力士は、近くの川原の砂場(すなば)で、力くらぺをするやくそくをしました。                                

 よく朝、日の出を合図に、川原へあらわれた二人は、行司(ぎょうじ)もつけずに、「ガキッ」と組み合いました。どちらも日本一といわれるだけあって、なかなか勝負がつきません。村の人たちや旅の人たちも足を止め、

「がんばれ甲斐。」

「がんばれ鳩連。」

とおうえんしますが、組み合った二人の勝負は、つきそうにもありません。

 やがて太陽も西にしずみ、見物の人も一人さり、二人さりして、いつの問にかみんないなくなってしまいました。あとには、がっちりと組み合った甲斐と鳩連の二人だけがのこってしまいました。

 次の日の朝、川原の二人は、あいかわらず組み合ったままです。おしつおされつ、この日も勝負がつかないまま、日がくれてしまいました。見ていた人々も、さすがに夜になると、みんな家へ帰っていきました。

 さて、次の日の朝、二人の勝負を楽しみに、川原へかけつけた人々は、朝の光の中に、組み合ったままの二人の力士が、何かにすいこまれるように、大空へ上がっていくのを見ました。そして、ついに、大空のかなたへ消えてしまい、二度と川原へあらわれることはありませんでした。

 人々は、力いっぱいたたかい、ついに、天へ昇(のぽ)ってしまった二人の力士のくようにと、そこに、二本の黒松を植えまし

た。

 この二本の黒松は、「昇天(しょうてん)の松(まつ)」とよばれ今でも桜町(さくらまち)地内にのこっています。

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