十二組の坂(笹川)

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  1. 昔話・民話

 昔、笹川の山奥(おく)の東大又(ひがしおおまた)というところに、木こりたちが、夏の問、山で仕事をするために使う小屋がありました。そこに、十三人の木こりたちがねとまりしていました。
 ある暑い夏の夜、一人のむすめが、小屋をたずねてきて言いました。

「道にまようたがでこまっとります。一ばん、とめてもらえんまいか。」
「入らっせ、入らっせ。」
「入ってとまらっせよ。」
 そのむすめが、あまりに美しかったのと、十三人のうち十二人まで若い木こりだったこともあって、みんなむすめをさそい入れようとしたのですが、年よりの木こりだけは、「こないな時間に、こい山奥の小屋に若いむすめが来るのは、ちょっこすおかすいぞ。キツネかムジナかもしれん。」
と、とめることに反対しました。しかし、若いれんちゅうの声に負け、とうとうむすめをとめてやることにしたのです。
「今夜の酒や、うまいのぉ。」
「さあ、そばへよって食べっしゃれ、食べっしゃれ。」
若い木こりたちは、ひさしぶりにみた、若いむすめにうれしくて大さわぎです。とうとうつかれてねむってしまいました。
ただ一人、年よりの木こりだけは、何だか気味が悪くてなかなかねつけませんでした。
 ようやく、少しまどろんだころ、何かの気配(けはい)に目をさまし、あたりをそうっと見回すと…。なんと、ねていたはずのむすめが毛をさか立て、ねむっている若者たちのまくらもとからまくらもとへと渡(わた)り歩いては、口の中から舌(した)をむしりとり、さもうまそうに食べているではありませんか。
年よりの木こりは、ガバッとはね起き、みんなを起こしたのですが、だれも動きません。むがむちゅうになった木こりは、むすめを追いかけ、つかまえようとしたのですが、にげ場をうしなったむすめは、とつぜん大きな烏にかわり、バタバタッとまどからにげていってしまいました。そのむすめは、年とった山鳥の化(ば)け物(もの)だったのです。
 それからというもの、小屋のあった坂道は、「十二組の坂」と言われるようになり、また、人々は、「山の神様は十三の数をきらっておる」と言って、山へ入るときは、十三人では行かないようになったということです。

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